児童小説
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2012-03-26T16:04:53+09:00
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海に咲く花(七) 9
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201104300000/
翌朝、ぼくは早めに家を出た。イケの家に行くつもりだった。 おじいちゃんは、「学校休んでもいいんだぞ。ルイ、無理するな」と、言った。びっくりした。以前は、そんなことを言うおじいちゃんではなかったか...
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2012-03-26T16:04:53+09:00
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海に咲く花(七) 8
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201102220000/
「見たんだ、ぼくは」 ごり押しされながら、ぼくはどう言えば的を射ているのかを考えていた。みんなの前で言わなくても、北くんにだけ、ぐさりと矢が刺さるように。「だから、何を見たんだよ!見たことを言っ...
仙人草21
2011-02-22T17:26:03+09:00
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海に咲く花(七) 7
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201102110000/
自分に苦しいことがあって、それを逃れるために、誰かにあたっても、気持ちは晴れることなんてないのに。誤魔化しは、何処まで行っても誤魔化しでしかない。 その日から、ぼくは何となく北くんが気になった。...
仙人草21
2011-02-11T23:13:18+09:00
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海に咲く花(七) 6
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201102050000/
ぼくは、涙をぬぐった。今、起きていたことは、現実なのだろうかと、霧の中にいるような頭で、そう思った。あまりにも突然、予期しなかったことが起こったからだ。 野島さんのことを思い出していて、その延長...
仙人草21
2011-02-05T17:33:13+09:00
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海に咲く花(七) 5
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201102020000/
何だかちょっと、情けなくなってしまった。笹が、こんなに人を傷つける武器になってしまうなんて、知らなかった。お寿司やお団子なんかを、包んでいたりする葉っぱだとは思っていたけど。 そう言えば昔、おば...
仙人草21
2011-02-02T16:38:58+09:00
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海に咲く花 七 4
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201012210000/
ぼくは翌日、一人でどぶ川の上流を探検しに行った。幅一メートルぐらいの小川だから、源流もそれほど遠くはないだろうと思った。 小川には、細かい小さな棘のあるつる性の植物が、生い茂り、はびこり、かぶさ...
仙人草21
2010-12-21T15:27:39+09:00
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海に咲く花(七) 3
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201011240000/
先生は、何をしたらいいのかを考えてくれないかなと、言った。どんな小さなことでも構わないからとも、言った。笑顔だったけれど声と目に、真剣な迫力があった。途端にぼくは、重い荷物を背負ってしまったので...
仙人草21
2010-11-24T15:55:52+09:00
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海に咲くはな(七) 2
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201011040000/
ぼくは、そんなことを、考えているのが嫌になっていた。 そんなときだった。牧野先生がぼくに、クラスに一人ぼっちの子がいなくなるように、イケと一緒に協力してほしいと言ったのは。今までは、関わりたくな...
仙人草21
2010-11-04T18:01:04+09:00
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海に咲く花(七) 1
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201009140000/
あれから一ヵ月後、ぼくは、おじいちゃんから、聞かされた。母さんに、赤ちゃんができたことを! イケが言ってた正夢。ぼくが恐れていたことだった!一瞬、息が止まりそうだった!本当に、聞きたくなんかなか...
仙人草21
2010-09-14T21:03:15+09:00
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海に咲く花(六) 18
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201007230000/
夢を見た。北くんが出てきた。何のわだかまりもなく、イケもぼくも、北くんとサッカーをしていた。あり得ないことだけど。それに、たった三人で。あんまり楽しそうではなかった。 イケは、北くんにボールを回...
仙人草21
2010-07-23T18:43:03+09:00
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海に咲く花(六) 17
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201006180000/
おじいちゃんは、その夜、きっと、ぼくたちに今まで何があったのかを訊くと思った。ぼくは、覚悟を決めていた。「今夜は、ルイもイケもゆっくり休むんだぞ。いいかい?もう、何も心配することは、なさそうだか...
仙人草21
2010-06-18T23:18:41+09:00
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海に咲く花(六) 16
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201004280000/
「おじいちゃん?先生、来ないかなあ?先生にも、美味しいご馳走、食べてほしくない?」「先生?おッ、牧野先生か。先生は、忙しいだろう。急に言ったって無理じゃないか。それよりも、近頃はいろいろうるさいこ...
仙人草21
2010-04-28T12:16:24+09:00
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海に咲く花(六) 15
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201004220000/
おじいちゃんは、目を細めて、ぼくたちを、包み込むように見た。ぼくは、光あふれる中にいた。これがきっと、慈愛の目なんだ。ぼくは心が軽くて、あったかくて、何だか、えへへ、えへへと笑ってばかりいた。ち...
仙人草21
2010-04-22T16:32:33+09:00
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海に咲く花(六) 14
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201004120000/
「おじいちゃん。イケはとうとう、勝ったんだよ。最高のメダルだよね。イケは間違っていなかったんだ。凄いよ、イケって」 ぼくの声はかすれ、振るえた。おじいちゃんは無言だった。じっと何かを考えているよう...
仙人草21
2010-04-12T16:14:48+09:00
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海に咲く花(六) 13
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201004010000/
もっと早く、イケのところに行くべきだった!でも、今、おじいちゃんがついていてくれるんだ。奴らだって、手出しはできないはずだ。もう、作戦を練っている時間なんて、ない。「ルイ!苦しいのかッ?どこか、痛...
仙人草21
2010-04-01T22:15:58+09:00
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海に咲く花(六) 12
https://plaza.rakuten.co.jp/niziki/diary/201003270000/
ぼくは、とても豊かな気持ちだった。ふっと、こんなことを夢想してしまった。イケも一緒に、ぼくの家でずーっと暮らせないものかな、なんて。そしたら、何て楽しいだろう。三人で、笑ったりけんかしたり、怒ら...
仙人草21
2010-03-27T11:11:26+09:00